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2012年3月 3日 (土)

2月18日マチネ 本多劇場 「ベルが鳴る前に」

岸田賞受賞の倉持裕が主宰する劇団「ペンギンプルぺイルパイルズ」の二年ぶりの本公演。といってもわたしは演劇にハマった数年間から10年以上演劇から遠ざかった時期があったので、彼のことも劇団のことも実は昨年の「青山ヴィラ・グランデ」を見るまでは知らなかった。

芝居作りの巧みな人は、時として観客にミスディレクションを仕掛けて、緊張させて肩透かしを食らわせたり、最後の一撃を浴びせたりする。
観客として驚かされるのは気持ちのいいことが多いが、その仕掛が逆にあざとく感じるときもあるのはまた事実。
しかし、倉持の芝居は仕掛なしに自然に驚かす。力業を感じさせないが、実はものすごい演出の力だ。

ストーリーはSFファンタジー。滅亡の日が迫る中、自ら発明した機械で選ばれた人たちを救おうとする機械技師と怪しげな昔からの言い伝えに従って皆を救おうとする男ダスタ。機械技師は機械を途中の村でトラックから落としてしまう。機械を移動させる重機を取りに急ぐ機械技師のトラックにダスタはヒッチハイクで乗り込む。機械技師とダスタ、機械を見張る機械技師の婚約者シルミと村の人々の会話、果たして人々を救うのは機械技師かダスタか。

最後、芝居はダスタの哄笑で終わるのだが、倉持芝居はそのプロットよりはディテールで人生を描き、いちいち観客を驚かせてくれる。
そして今回の一番の驚きは大道具。たった一つの大道具がトラックになったり機械になったり地下室になったり。レ・ミゼラブルも真っ青の演出だった。
I-23(上手中段)にて。

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